札幌市内(太平・東豊)の2院体制で安心の動物病院

胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)
動脈管開存症(PDA)
猫の尿管結石および尿管狭窄
肺動脈弁狭窄症
門脈体循環シャント(門脈シャント)

胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)

胆嚢粘液嚢腫とは、何らかの原因で胆嚢の中にゼリー状の粘液物質が貯留し胆嚢が拡大し胆汁を貯留する機能を失った状態をいいます。病状が進むと、総胆管閉塞による黄疸や胆嚢破裂に伴う腹膜炎などの重篤な合併症を引き起こす病気です。

原因

原因は現在のところ解っていませんが、ホルモン異常による胆のうの収縮不全や胆泥※による胆嚢への刺激が粘液分泌を亢進させると言われています。高脂血症を持っているワンちゃんに多く見られることが知られており、遺伝的に脂質代謝異常の多いミニチュア・シュナウザーやシェットランド・シープドッグなどに多くみられます。また、柴犬、ポメラニアン、Aコッカー、チワワなどは重症化しやすい傾向にありますので要注意です。
※胆泥:胆汁が濃縮されできる胆嚢内に溜まる泥状〜砂状の沈殿物

超音波検査での胆嚢粘液嚢腫の進行状況と胆嚢粘液嚢腫の超音波検査像
症状

軽度の場合には特に症状を示さず、健康診断等で偶然発見されるケースも多く見られます。胆汁の分泌障害が起こると、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振などの慢性的な消化器症状がみられ、肝障害を併発する場合もあります。
胆汁の流れが完全に遮断されると黄疸が起こり尿がやまぶき色になります。重症の場合には胆嚢が破裂し腹膜炎を起こすため、急に弱ったり、お腹が腫れてきたりします。

治療

内科療法では完治することはほとんどなく、徐々に進行します。
このため、定期的な検査による経過観察が必要です。進行すると総胆管閉塞や胆嚢破裂などを起こすこと、そのような状態での手術は合併症が多くなることから、症状がない胆嚢粘液嚢腫のうちに手術を行い、胆嚢摘出手術を行うことが重要です。
万が一、胆嚢が破れてしまっていても手術は可能ですが、術後の合併症が多くなり、死亡率が約3割とも言われています。
※胆泥:胆汁が濃縮されできる胆嚢内に溜まる泥状〜砂状の沈殿物

摘出した胆嚢粘液嚢腫の胆嚢
予防

何よりも早期発見・早期治療が重要な病気です。高脂血症や胆泥症、胆石症など、発症の引き金となるのではないかと考えられている疾患を予防し、早期に発見するためにも定期的な健康診断を受けましょう。



動脈管開存症(PDA)

動脈管は子供が胎児として子宮内にいる時には使われている血管なのですが、生後まもなく閉鎖します。この血管が閉鎖しないで残ったのが動脈管開存症です。

原因

動脈管は大動脈と肺動脈をつなぐ血管で、この血管を通して動脈血が肺動脈内に入りこみます。動脈の圧はかなり高いのでこの動脈管が太いとかなり多量の血液が肺動脈に流れ込み、心臓に容量負荷を起こして、心臓が拡張していきます。

症状


進行すると心不全を起こし死亡します。どこまで生きられるかはその動物の重症度によりますが、重症だと1歳まで生きなれないケースもあります。

治療

この疾患は手術で治すことが可能です。手術には2種類あり、胸を開けて動脈管を縫合で結紮する方法と脚の付け根の細い動脈から細いカテーテルを入れて、このカテーテルを動脈管内に入れ、血管を閉鎖する器具(ディバイス)を入れる低侵襲手術(インターベンション)があります。
どちらも一長一短あり、開胸手術では、どんな小さな動物でも手術が可能ですが、血管を糸で結紮するで血管が破れるリスクがあり、インターベンションは痛みが少なく血管を安全に閉鎖することができますが、ディバイスが取れてしまい、肺の血管の奥に詰まったり、血管が完全に閉鎖しないこともあります。ただ、現在、アンププラッツという人でも使われているデバイスが登場し、手術の確実性が向上しています。
当院では開胸手術による閉鎖とインターベンションによる手術の両方が実施可能です。

Canine Ductal Occluder


猫の尿管結石および尿管狭窄

尿管は腎臓で作られた尿を膀胱に運ぶ左右2対の管で、猫では直径2mm、長さ7〜8cmの微細な臓器です。
猫では腎臓内に結石が複数できて、これが尿管に流れていき詰まってしまう尿管結石症がとても多く発症が認められます。

原因

尿管結石の原因である腎結石は猫の体質や品質の悪いキャットフードが原因の一つと言われています。

症状

結石によって尿管が詰まると腎臓から尿が流れなくなるため急性腎不全に陥り尿毒症を呈し、急に元気が無くなり、食欲不振、嘔吐など症状がでて、そのままにすると死に至ります。 尿管結石は人ではそのうちつまりが取れて膀胱まで落ちてくることがありますが、猫ではそれは期待できません。

治療

詰まった石を手術で取り除くか、尿管が痛んでいる場合には尿管と膀胱を新しく繫ぐなどの手術や尿管ステントやSUBシステムが必要になります。
また最近では結石が認められないのに尿管が細くなってしまう尿管狭窄もあり、この場合には薬剤で治療できる場合もあります。

【尿管ステント】
尿管ステントは尿管が詰まったり、腎結石があり、これからも閉塞しそうな状態に時に用いる器具で、腎臓から膀胱まで細い管を通してこの管から尿が腎臓から膀胱へ流れるようにするものです。ステント留置は第一選択ではありませんが、当院では必要な状況があれば設置できる体制を整えています。
【SUBシステム】
尿管にダメージがあり使えなくなってしまった場合に腎臓にカテーテルを設置し、それを膀胱につなぎ、腎臓と膀胱をバイパスして尿を膀胱へ送るシステムのSUBシステムを設置する場合があります。
予防

生後6ヶ月ぐらいの若い猫でも発症することがあり、尿管閉塞の症状が出る前に血尿が認められることもあれば、突然発症する場合もあります。若いうちから定期的に腎臓の超音波検査、レントゲンおよび尿検査などで結石がないか検査して、発症を防ぐようにしましょう。
また、キャットフードはかなり良質で結石予防の効果が高いHills c/dマルチケアやphコントロールなどの食事がお勧めです。病院にご相談ください。



肺動脈弁狭窄症

肺動脈は全身の静脈の血液を心臓から肺に送り出す部分の血管で、血管内に弁があり、送り出した血液の逆流を防止しています。
肺動脈弁狭窄はこの肺動脈内の弁がうまく動かずもしくは弁以外の構造物が、血液の流れを妨げたりして心臓に負担のかかる生まれつきの疾患です。

症状

軽症だと無症状で長く生きられますが、重症だと疲れやすくなったり、呼吸が速くなったり、お腹に水が溜まる場合もあり、死に至ります。

治療

重症な場合には手術が必要です。手術が適応なケースであればバルーンカテーテルを使用して狭い弁などの部分を広げる手術も行っています。
重症度評価や手術適応であるかは心エコー検査である程度判断できます。



門脈体循環シャント(門脈シャント)

門脈体循環シャント(PSS)とは、先天的または後天的な原因によって門脈と呼ばれる血管と大静脈血管との間に異常な連絡血管(シャント血管)が生まれつきある、もしくは肝臓疾患のために新たに血管ができて、アンモニアなどの本来肝臓で解毒されるはずの毒素が体中を循環し、障害を引き起こす病気です。
犬に多い病気で、ヨーキー、シーズー、パピヨン、シュナウザー等に多く認められます。猫にも発生が認められています。

PSSの模式図
症状

よだれが多い、吐き気や下痢、体重減少や発育不良、尿に緑~黒っぽい砂が混じることがある、食後に元気がなくなる、部屋の隅ををうろうろ歩く等の症状があります。
進行すると肝臓が働かなくなり死に至ることが多いです。

治療

先天性PSSの根本的な治療はシャント血管を閉鎖する手術で治すことです。
先天性PSSの子は生まれつき肝臓に流れている血液が少ないので、肝臓内の門脈系の発育が悪く、シャント血管を急激に閉じると身体の負担が大きく、完全に治らないケースもありました。現在はシャント血管を徐々に閉鎖するアメロイドコンストリクター(図)という血管閉鎖ディバイスをシャント血管に装着する手術を行っています。
この方法により今まで治せなかった重症なPSSの症例も治せるようになってきました。
ただし、後天性PSSでの根治はできないため、原因となっている肝疾患を診断し、それぞれの肝臓の病気にあった薬や食事療法で治療を行います。

手術予後

手術が成功し完全に治癒した場合には(症例の約95%)は、正常になり食事療法や薬などが不要になり、普通に過ごせるようになります。
当院での手術では、手術の1~2日前から入院し、CTを撮影した後に手術を行い、シャント血管が閉鎖したことを確認して退院としています。入院期間はおおよそ9日間です。

正常な肝臓では肝臓内に入り込んだ門脈は木の枝のように徐々に分岐してだんだん細くなるように分布している(左図)。PSSでは肝臓内の門脈が急激に細くなり、血管が全体に分布していない(右図)。
【PSSの犬のCT画像】
ピンクの部分がシャント血管で、シャント血管はかなり太く、肝臓に門脈血はあまり流れていない。
【PSSの血管閉鎖に用いるアメロイドコンストリクター】
金属のリングの内部にタンパク質でできたリングがあり、これで血管を徐々に閉鎖させる。
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